近年、体のエイジングを早めてしまう要因の1つとして注目を集めているのが『糖化』です。
「糖化」とは、体内に存在するタンパク質や脂肪が、余分な「糖」と結びつくことで起こる現象で「体の焦げ」とも呼ばれています。
糖化によって肌の細胞に焦げが沈着すると、シミやくすみとなって肌の透明感が失われ、老け見えの原因となることも。
今回は、糖化が進んでしまった肌を改善する方法、そして糖化を予防する方法について紹介します。
糖化とは?
「糖化」とは、体の中に存在するタンパク質や脂肪が、食事などで摂取した「糖」と結びつくことで、体内にAGEsと呼ばれる老化物質が作られてしまう現象です。
AGEsとは、糖がこびりつき本来の機能を失ったタンパク質のことです。
このAGEsが細胞内や臓器にあると、炎症を引き起こしてしまい、肌や臓器の老化がスピードアップしてしまいます。
糖化によって生まれるAGEsは、褐色で硬いのが特徴です。
肌にAGEsが蓄積されている場合、シミや黄ぐすみ、弾力不足によるたるみやシワとして表面に現れるように。これらの肌トラブルはエイジングサインと呼ばれており、近年はエイジングサインに着目したスキンケアや美容食品も増えてきています。
糖化してしまった肌を改善するには?
すでに体内で作られてしまったAGEsを取り除くことは難しいですが、AGEsがこびりついた細胞をターンオーバー(新陳代謝)によって体外に排出することで、肌状態を改善することができます。
ターンオーバーとは、一定のサイクルで古い細胞が体外に排出され新しい細胞に生まれ変わることで、肌の場合は約28日間サイクルで行われており、古い細胞は垢として自然にはがれ落ちます。しかし、年齢を重ねると、ターンオーバーがスムーズに行われにくくなるので注意が必要!このターンオーバーがきちんと行われるようにケアすることが大切です。
肌のターンオーバーを助けるためには、次の3つの方法がおすすめ。
1.良質な睡眠を取る
肌のターンオーバーを促すのに重要な成長ホルモンは、睡眠中に脳下垂体から分泌されます。
とくに就寝後3時間〜4時間の間に成長ホルモンが多く分泌されるため、この時間帯に深く眠ることが重要。
質の高い深い睡眠を得るため、
- 就寝の2〜3時間前にゆっくり入浴する
- 就寝直前はノンカフェインの飲み物を飲む
- アロマを焚くなど
自分にあったリラックス方法で体の緊張をほぐしてからベットに向かいましょう。
2.ビタミンB群や亜鉛を積極的に摂る
ビタミンB群や亜鉛は、正常な肌のターンオーバーには欠かすことのできない栄養素です。
ビタミンB群の中でも、ビタミンB6は、皮膚や粘膜などの細胞の元になるタンパク質の再生に欠かせないので、積極的に摂りたい栄養素です。
亜鉛も正常なターンオーバーを促す効果があるため、糖化を食い止めるためには積極的に取り入れましょう。それぞれの成分は以下の食品に多く含まれていますので要チェック!
ビタミンB6・・・ニンニク、唐辛子、バナナ、赤パプリカ、牛レバー、カツオ
亜鉛・・・牡蠣、あさり、牛肩ロース、カシューナッツ、プロセスチーズ
とくにビタミンB6は、加熱せずに生のまま摂取すると吸収率がアップするので、サラダや刺身として食事に取り入れるのがおすすめです。
3.マッサージを取り入れる
ターンオーバーを促すためには、血流を促進し細胞の隅々まで栄養や酸素を行き渡らせることが大切です。
そこで取り入れたいのがマッサージです。
とくに、顔周りの血流アップに効果的な耳周りのマッサージがおすすめ。
耳周りには、体を温めるツボや顔周りのリンパが集中しており、耳周りを刺激することで効率的に顔周りの血流がアップします。血流がアップすることで、遅くなってしまったターンオーバーの周期を整える効果が期待できGOOD!
耳周りのマッサージ方法
- 人差し指と中指で両耳の根元をはさみ、上下に指を動かす
- 親指と人差し指で両耳を軽くつまみ、外側に向かって引っ張る
- 両耳を軽く折り曲げて、10秒間キープ
- 手のひらで両耳全体を包み込み、そのまま円を描くように両耳を回す
糖化を予防する方法とは?
上記の方法でターンオーバーを促し、糖化進んだ細胞を体外に排出するのと同時に、これから糖化が起こるのを防ぐことも大切です。
糖化の要因となる糖は、普段私たちが口にしている食事が元となっています。
通常、体の中に入った糖は体や脳を動かすエネルギーとして使われるため、糖は生命を維持するために欠かせない栄養です。
ですので、糖化を気にするあまり、糖の摂取を過剰に制限してしまうことは危険ですので避けましょう。
糖化を予防する方法として、以下の3つの方法を紹介します。
1.糖化の原因となる果糖に気をつける
食品に含まれる糖には「果糖」と「ブドウ糖」の2種類があります。
実は、「果糖」は「ブドウ糖」の10倍以上のスピードでタンパク質と脂肪を糖化させてしまうので、とくに注意が必要です。
多くの果物には果糖が含まれていますが、食後のデザートとして食べる分には問題ありません。
ですが、果物を食べ過ぎてしまったり、高濃度の果糖が含まれる果物ジュースや清涼飲料水、缶コーヒー、ドレッシングなどは摂取量に気をつけましょう。
2.血糖値をコントロールする
食後の血糖値が急激に上昇したり、1日に血糖値が何度も上がったり下がったりを繰り返していると、糖化が進むとされています。
そのため、糖化を防ぐには食後の血糖値を急上昇させない血糖値コントロールを行うことが大切です。
とくに、炭水化物は血糖値を急激に上昇させてしまうので、他の食品のあとに食べるようにしましょう。
血糖値を緩やかに上昇させる食べ方としては、野菜やきのこなどの食物繊維→お肉や魚などのタンパク質→炭水化物(糖質)の順に食べるのがGOOD!
また、食品には血糖値を上げやすい高GI(グリセミック・インデックス)食品と上げにくい低GI食品があります。主食では玄米や全粒粉のパン、そばなどが低GI、白米や食パン、お餅、うどんは高GIです。いも類ではさつまいもが低GI、じゃがいもは高GIですので、糖化を予防するために、なるべく低GI食品を選ぶようにしましょう。
3.ストレスを解消する
私たちの体は、ストレスを受けると副腎から「ストレスホルモン」と呼ばれるコルチゾールという物質が分泌されます。
コルチゾールは血糖値を上げる働きがあるため、細胞の糖化を促進してしまいます。
また、ターンオーバーを遅らせる原因ともなるため、なるべく早くストレス状態から抜け出すことが大切です。
ストレスを感じた際は、その場で腹式呼吸を行うと、自律神経を調節する働きを整えたり、全身の筋肉の緊張を緩ませる効果があるため、手軽なストレス解消方法としておすすめ。
また、天気の良い日にウォーキングをする、お気に入りのアロマを焚いてみるなど、自分なりのリラックス方法を見つけましょう。
抗糖化で上手に年齢を重ねるウェルエイジングライフを送りましょう
今回は、エイジングの1つである糖化についてのケア方法などを紹介しました。
糖化は誰にでも起きる老化現象であり、ずっとお付き合いが続いていきます。ですので、糖化の原因であるAGEsをなるべく増やさない生活を心がけ、より良く年齢を重ねる「ウェルエイジング」を目指していきましょう。