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眠れなかったら不眠症?不眠の種類や原因について解説

「最近よく眠れていない。」あなたも一度は感じたことがあるのではないでしょうか。

 

不眠症とは不眠が続いて体調不良になり、日常生活に影響を及ぼしている状態のことです。大事なプレゼン前やテストの前日に一時的に眠れないことはありますが、眠れない状態が続く場合は注意が必要です。不眠について知り、不眠の予防を心がけましょう。



不眠症とは

不眠症とは眠れない日が続き、体に不調が生じて日常生活の質が低下している状態を指します。「眠れない」といっても、状態はさまざまです。

  • なかなか眠れない(寝つきが悪い)
  • 夜中に何度も目が覚める
  • 朝早く目覚めてしまい、その後眠れない

 

上記にあてはまっても、体調が良好で短期間であるなら不眠症ではありません。睡眠に問題があり、なおかつ次のような症状にあてはまる場合は不眠症の可能性があります。

  • 日中にだるさを感じる
  • やる気が起きない
  • 仕事に集中できない
  • 食欲がない
  • 気持ちが塞ぎ込んでいる
  • 頭痛やめまいがする

不眠症には慢性不眠症と短期不眠症があります。1週間のうち不眠と日中の不調が3日以上あり、それが3か月以上続くと慢性不眠症、3か月未満なら短期不眠症です。

 

また、不眠症には睡眠時間の長さは関係がないといわれています。適切な睡眠時間には個人差があるため、たとえ毎日4時間しか睡眠をとれていなくても、心身に不調がなく普通に日常生活を送っているなら問題なしです。

 

(参考:不眠症 e-ヘルスネット 厚生労働省 )

不眠には4パターンある

不眠には次の4つのパターンがあるとされています。

  • 入眠障害
  • 中途覚醒
  • 早朝覚醒
  • 熟眠障害

それぞれ解説します。

<入眠障害>

いわゆる「寝つきが悪い」という状態です。寝ようと思って布団に入っても、眠るまでに時間がかかります。眠るまでに1時間以上かかる場合は、入眠障害の可能性があります。不眠の中でとくに多い症状です。

 

<中途覚醒>

睡眠の途中で目が覚めてしまいます。眠りが浅く、一度目覚めるとその後眠れません。目覚める時間や回数には個人差があります。年齢を重ねるとあらわれやすくなる症状です。

 

<早朝覚醒>

起床する時間より2時間以上早く目覚めてしまう状態です。まだ眠く、眠りたいのに眠れません。高齢の方に多く見られる症状です。

 

<熟眠障害>

睡眠時間が足りているはずなのに、ぐっすり眠ったという感覚がありません。寝ているはずなのに疲れがとれないと感じます。

 

不眠のパターンは4つありますが、1つだけでなく複数のパターンが同時に生じているケースもあります。筆者は中途覚醒と早朝覚醒が続いた時期がありますが、疲れがとれず本当に困りました。

不眠の原因は

誰でも一時的に眠れないことはありますが、不眠が長期間続く場合は必ず理由があります。不眠の原因には、次のようなものがあります。

 

<生活習慣や環境によるもの>

夜勤の仕事や昼夜逆転の生活を送っていると、睡眠のリズムが乱れて不眠につながります。また、部屋の温度が暑すぎる・寒すぎる、寝具が合わない、照明が明るすぎるなど睡眠環境が影響しているケースも。寝る前のスマホやオンラインゲームなども、睡眠を妨げる要因となります。

 

<心理的なもの>

不安や緊張、過度なストレスは不眠の原因の一つです。布団に入ってからも人間関係の悩みや仕事のトラブル、将来への不安について考えていて眠れなくなった、という経験のあるかたも多いはず。

 

<嗜好品の影響によるもの>

カフェインの取りすぎやタバコに含まれるニコチンが原因で、眠れなくなることがあります。また、お酒の飲みすぎにも要注意。カフェインやアルコールは利尿作用があるため、夜中に何度もトイレに行き、熟睡できない可能性があります。

 

<体の不調によるもの>

体の不調が原因で熟睡できなかった経験はありませんか?筆者の場合、花粉症の時期は鼻詰まりで熟睡できず、喘息の症状が出た時は咳で夜中に何度も起きてしまいます。人によっては、皮膚のかゆみや病気の痛みで眠れないこともあるでしょう。

不眠を予防するには

不眠を予防するには、日常生活に目を向けることが大切です。最近よく眠れないなという方は、次の点を見直してみましょう。

  • 夕食は寝る2時間前までにすませる
  • 寝る前のカフェインやアルコールは控える
  • 適度な運動をする
  • 眠る環境を整える
  • 起床後に朝日を浴びる

几帳面で真面目な人は些細なこともストレスに感じやすく、不眠になりやすいといわれています。完璧を求めすぎず、時には周囲の人の助けを借りてストレスと上手に向き合うことが大切です。

また、季節によっても睡眠に変化があるようです。夏は日照時間が長く、冬は短くなります。そのため、冬の方が夏よりもメラトニンの分泌が早く始まり、睡眠時間が長くなる傾向にあるといわれています。(メラトニン:睡眠ホルモンと呼ばれている。眠気を誘う作用があり、睡眠の質を向上させる。)

 

その他にも、春は新生活がスタートしてストレスを感じやすい時期です。夏は熱帯夜が続くと寝苦しいでしょう。冷え性の方は、冬は手足の冷えが気になってなかなか寝付けないかもしれません。

 

季節に合わせて睡眠の質を高める工夫をして、不眠にならないように気をつけることが大切です。