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子どもの足をトラブルから守るには?靴の選び方が重要!

子どもの足を触ると、ふっくらしていて柔らかいですよね。大人とは歩き方も違い、見ていてかわいいなと感じる人も多いでしょう。実は、子どもが大人の足になる過程においては、靴選びがとても重要です。

 

本記事では、子どもの足の特徴や靴の選び方について解説します。足のトラブルを予防してあげたい・きれいな姿勢を維持してほしいと考えるなら、ぜひ知っておきましょう。



子どもの足の特徴

子どもの足は成長過程にあるため、大人の足とは見た目や特徴が異なります。子どもの足には、次のような特徴があります。

  • 軟骨で形成されている
  • 骨と骨の間が広く、関節が柔らかい
  • 足幅が広い
  • かかとが小さい
  • 成長スピードが早い

また、子どもの年齢によっても違いがあります。

 

(2歳頃まで)

  • 足長は12~14cmほど
  • ほとんどが軟骨で足全体が脂肪に覆われている
  • 足裏も柔らかい
  • O脚気味

(3~5歳)

  • 足長は15~17cmほど
  • 土踏まずができる
  • 軟骨が骨に変わり始める
  • O脚が改善され始める

(6~7歳)

  • 足長は18~19cmほど
  • 横方向のアーチができる
  • 歩き方や骨格が大人に近づいてくる

(8~10歳)

  • 足長は20~22cmほど
  • 縦と横のアーチが完成する
  • 足の骨格は大人とほぼ同じ状態になる
  • 足のサイズがどんどん大きくなる

 

大人の足は縦と横にアーチがあり、弓なりの形をしています。縦と横のアーチは足の衝撃をやわらげる働きがあり、スムーズに歩くために重要な機能です。また、長時間歩けるのもアーチのおかげです。

 

子どもの足は成長とともに大人の足に近づいていきますが、10歳頃までは足の骨格のバランスが崩れやすいと言われています。近年では「足育」という言葉も聞かれるようになってきました。子どもの足の成長スピードは驚くほど早く、1年で1cm大きくなることも珍しくありません。子どもの足の健康を守るには、子どもの足の特徴を知り、足に合った靴を履くことが大切です。

子どもの靴の選び方

子どもの靴を選ぶ時のポイントは、大きくわけて2つあります。足長と足幅が合っていることと、かかとがフィットしていることです。それぞれ詳しく紹介します。

 

<足長と足幅が合っていること>

子どもの靴は、足長(縦の長さ)と足幅(横の長さ)が合ったものを選びましょう。

 

足長は、一番長い指先からかかとまでの長さです。靴のサイズはこの長さに0.5〜1cmを足したサイズを選びます。実際の足長より少し大きめのサイズを選ぶのは、歩く時に足が前にずれても指先が当たらないようにするためです。

 

「子どもはすぐに大きくなるから」と、適切なサイズより大きめの靴を買うのはおすすめしません。歩くたびに足先に余分な力が入ったり、転びやすくなったりする可能性があります。

 

また、当然ながら小さくなった靴を履き続けるのもNGです。筆者は小学2年生の時、足の裏にウオノメができてしまいました。サイズアウトしたお気に入りの靴を、ずっと履き続けていたのが原因です。ウオノメが治るまでとても時間がかかり、大変な思いをしました。

 

靴をこまめに買い替えるのを面倒に感じる気持ちはよくわかりますが、子どもの足の健康を守るためには適切なサイズの靴を履かせるようにしましょう。メーカーによっては公式サイトで測定表を公開しています。印刷して足をのせれば簡単にサイズがわかるので、定期的に測ってみるのもおすすめです。

 

そして、足長と同じくらい重要なのが足幅です。足幅が小さいと窮屈に感じるため足幅にゆとりのある靴を選ぶ保護者もいますが、実は大きすぎるのはよくありません。足幅の大きい靴を履いていると歩くたびに靴の中で足が動き、足のトラブルにつながるおそれがあるからです。子どもの足は幅が広いのが特徴ですが、足幅の細い子どももいます。同じサイズでもワイズ(足幅の広さ)の異なる靴を展開しているメーカーもあるので、チェックしてみましょう。

 

<かかとがフィットしていること>

靴にかかとがフィットしていないと歩くたびに体がぐらつき、かかとがパカパカと浮いてしまいます。子どもの足は、かかとが小さく足全体が柔らかいのが特徴です。靴のかかと部分に芯が入っていて、足をしっかりホールドできるような靴を選びましょう。

 

子ども用のサンダルやブーツなどはかわいらしいですが、かかとのホールド力という点ではおすすめできません。おでかけの時だけ楽しむようにして、たくさん歩く時や公園で遊ぶ時には履かないことをおすすめします。

 

<その他気をつけたいこと>

3歳より幼い子どもにはまだ土踏まずがなく、すり足気味で歩きます。小さな子ども用の靴の先が上を向いているのは、歩きやすくするためです。つま先が地面に対してフラットな靴よりは、少し上向きのものを選びましょう。また、靴先が軽く曲がる程度のしなやかさがあると、子どもは歩きやすいと感じるはずです。

 

足の甲全体を覆うタイプの靴は、子どもの柔らかい足をしっかりと支えてくれます。靴を履く時はまずかかとを合わせてから、ひもや面ファスナー(マジックテープ:株式会社クラレの登録商標です)で足の甲をホールドしましょう。それでも足の甲がフィットせずブカブカな場合は、インソール(中敷き)で調節する方法もあります。水洗いできるものや取替可能なものもあるので、専門店に相談することをおすすめします。

 

そして、最も重要なのは試し履きをすることです。同じメーカーの同じサイズでも、素材によって履き心地やサイズ感が異なる場合があります。靴を履いた状態で足の指を動かせるならOK!通販サイトで靴を購入する人も増えていますが、できるだけ試し履きをしてから購入するようにしましょう。

※ 小さい子どもが靴を履いている写真

足のトラブルを予防して元気に遊ぼう

足に合わない靴を履いていると、さまざまな足のトラブルにつながります。たとえば、土踏まずのない状態である「扁平足」。扁平足は歩行不足が原因と言われていますが、実は足に合わない靴を履いていることも理由の一つです。偏平足は歩行時の衝撃をうまく吸収できないため、疲れやすくなります。また、体の歪みや猫背の原因となることもあります。大人が適切な靴を選び、子どもの足の健康を守ってあげましょう。

 

また、お風呂に入った時や子どもが裸足でくつろいでいる時に、足のトラブルがないかチェックすることも大切です。

  • タコやウオノメができていないか
  • 赤くなっている部分はないか
  • 足の指や土踏まず、かかとに気になる点はないか

定期的に子どもの足を見ておくと、わずかな変化に気づけます。万が一トラブルが起きた場合にも素早く対応できるので、日頃から子どもの足に注意を向けておきましょう。