胃腸の機能が低下し、さまざまな不調が起こる「胃腸バテ」。胃腸バテになると疲れやだるさが抜けにくくなり、快適に過ごせません。しかも、一度胃腸バテになるとなかなか回復しないケースもあるため、予防することが大切です。胃腸バテを予防するコツや胃腸バテ対策について知り、暑い時期を元気に過ごしましょう。
胃腸バテは予防が肝心!
胃腸バテとは胃腸の機能が低下し、食欲がない・胃腸の具合が悪いなどの不調が生じることです。胃腸バテになると体に栄養が十分に行き渡らず、ますます体調が悪化する可能性があります。一度胃腸バテになると回復するのに時間がかかるため、予防することが大切です。
胃腸バテを予防するには2つのポイントがあります。
(1)食事に気をつける
胃腸の働きが低下しないよう、普段から食生活に気を配りましょう。たとえば、次のような点に気をつけます。
- 冷たいものばかり食べすぎない
- 栄養バランスのよい食事を心がける
- お酢や香辛料を上手に使う
- 腸活におすすめの食材を取り入れる
冷たいものを食べすぎると胃腸が冷え、不調の原因となります。冷たいものを食べたら温かい飲み物を飲む・夏でも冷たい飲み物は控えめにするなどの工夫をしましょう。
暑さで食欲が落ちると、たんぱく質やビタミン・ミネラルの摂取量が減りやすくなります。そうめんや冷奴に薬味を添えたり、具沢山のスープを食べたり、自分のできる範囲で栄養のバランスに気を配ってみてくださいね。お酢や香辛料を使って食べやすくするのもおすすめです。
また、腸内環境が整うと免疫が高まり、胃腸バテを防ぐ効果が期待できます。食物繊維や発酵食品を取り入れて善玉菌を増やし、良好な腸内環境を目指しましょう。
(2)日常生活に気をつける
胃腸の機能が低下する原因は、食事だけではありません。自律神経の乱れやストレスも、胃腸の不調につながります。
- 冷房で体が冷えすぎないようにする
- お風呂にゆっくり使って体を温める
- ぐっすり眠れるように、帰宅後はスマホに触らない
- 簡単なストレッチや軽い運動をする
上記は、自律神経の乱れを防ぐのに効果的です。夏は屋外と屋内の気温差で自律神経が乱れやすくなります。冷房対策をして体を冷やしすぎないようにし、しっかりと体を休めることが大切です。
「なんとなく胃が重い」「お腹が張る」というのは、胃腸が弱っているサインかもしれません。いつもと違うと感じたら、生活習慣を見直してみましょう。
胃腸バテになってしまったら
胃腸バテになってしまったら、胃腸に負担のかからない消化のよいものを食べて、体を休めましょう。食事は量よりも質に重点を置き、たんぱく質やビタミン・ミネラルが不足しないように気をつけます。
だるさがひどい時は、疲労回復に効果が期待できるビタミンB1やクエン酸がおすすめです。ビタミンB1は、糖質をエネルギーに変える際に必要なビタミン。豚肉やうなぎ、大豆や玄米、ほうれん草やごまなどに多く含まれています。ビタミンB1はアリシンを含む玉ねぎやニンニク、ニラと食べると吸収率がアップするため、ぜひ一緒に食べるようにしましょう。
クエン酸は、疲労の原因物質と言われる乳酸を排出する作用がある成分です。柑橘類や梅干しなどに多く含まれているので、意識して取るようにしましょう。酸味のある食品を肉や魚と合わせると、さっぱりして食べやすくなります。
食事以外には、ツボを試す方法もあります。胃の調子が悪い時は「中脘(ちゅうかん)」というツボがおすすめです。中脘はみぞおちと臍の中間にあるので、痛気持ちいい程度の力加減で押します。だるさや疲れには「湧泉(ゆうせん)」が効果的。湧泉は土踏まずの真ん中あたりにあるツボで、足の指を曲げた時にへこむ部分です。手の親指を湧泉にあてて垂直に押したり、床にゴルフボールを置いて湧泉を刺激したりするとよいでしょう。
胃腸バテかも?と感じたら、放置せずにすぐに対処することが重要です。早めに対処することでそれ以上悪化するのを防げます。自分で工夫しても改善しない時は、医療機関に相談しましょう。
胃腸バテ予防におすすめの簡単レシピ
食欲がない時でも食べやすい、胃腸バテ予防の簡単レシピを紹介します。栄養をしっかり取って、健康な体作りを目指しましょう。
<枝豆のニンニク炒め>
夏が旬の枝豆を使った料理。冷凍の枝豆を使えば短時間で作れます。
(材料)
冷凍の枝豆 適量
ごま油(またはオリーブオイル)大さじ1程度
ニンニク 適量
塩 少々
(作り方)
冷凍の枝豆を解凍する
フライパンにごま油を入れ、ニンニクを入れて香りを出す
枝豆を入れて軽く炒め、塩で味を整える
ニンニクはスライス状でもすりおろしでもOKです。市販のチューブのニンニクでもおいしく仕上がります。
<梅ときゅうりと竹輪の和え物>
切って混ぜるだけの一品。さっぱり食べられます!
(材料)
梅干し 2~3個
きゅうり 2本
竹輪 1袋
塩 少々
ごま油 大さじ1程度
白ごま 適量
めんつゆ 大さじ1程度
(作り方)
きゅうりを食べやすい大きさに切って、塩もみする
きゅうりの水気をしっかり取っておく
梅干しは種を取って細かく切り、竹輪は食べやすい大きさに切る
ボウルに2と3、その他の材料を入れてよく混ぜる
きゅうりの水気をしっかり取るのがポイントです。梅干しと調味料は、好みに合わせて量を調整してください。青ねぎやかつおぶしをかけたり、梅の代わりにショウガを使ったりするなど、アレンジもできます。
元気な胃腸で暑さを乗り切ろう
胃腸バテは、食事や日常生活に気をつけることで予防できます。栄養バランスに気をつけ、体を冷やしすぎないように注意しましょう。胃腸バテかな?と感じたら、無理は禁物です。疲労回復に効果的なビタミンB1やクエン酸が含まれる食品を取り入れて、しっかりと休息してくださいね。