崩れた姿勢を治すには土台からきちんと整える必要があります。とくに足裏は普段から意識することが少ないため、気づかないうちに崩れて姿勢の乱れの原因になっているケースは多いです。
足裏の使い方を整えれば安定して正しい姿勢をとりやすくなります。腰痛や疲れやすさなどの悩みも改善できる可能性もあるので、まずは足裏の使い方から確認してみましょう。
<目次>
土踏まずがアーチを描いている
足裏の3点で均等に床を押せている
ふくらはぎが太くなる
腰痛になる
左右のくるぶしの高さが同じ
指が浮いていない
土踏まずのアーチが潰れていない
土踏まずのマッサージ
足指関節のトレーニング
土踏まずのアーチを作るトレーニング
正しい足裏の使い方とは
足裏を正しく使うには、以下の2点が重要です。
- 土踏まずがアーチを描いている
- 足裏の3点で均等に床を押せている
ここからは、それぞれの使い方について詳しく紹介していきます。
土踏まずがアーチを描いている
土踏まずのアーチとは、親指の付け根にある母指球の下からかかとの手前までにあるアーチのことです。土踏まずのアーチがなくなる原因は運動不足によるものが多いです。そのため、車移動やデスクワークが多いなど歩く機会が減ると土踏まずのアーチも徐々になくなってしまいます。
土踏まずのアーチがなくなると内側に体重がかかるため、脚の形がX脚になったり反り腰になったりと姿勢が崩れる原因になります。そのため、姿勢改善をする際は土踏まずのアーチをきちんと作れるようにトレーニングするのが重要です。
足裏の3点で均等に床を押せている
足裏の3点は以下の3つの部位を指します。
- 母指球(親指の付け根)
- 小指球(小指の付け根)
- かかと
上記3点のどれかに体重が偏っていたり、指に力が入っていて前重心になっていたりすると姿勢が崩れてしまいます。
土踏まずのアーチがなくなる原因にもなるので、3点すべてに均等に体重が乗るように意識するのが重要です。
土台である足裏の使い方が崩れることによる影響
土台である足裏の使い方が崩れると、以下のようなトラブルが起きる可能性があります。
- ふくらはぎが太くなる
- 腰痛になる
- 外反母趾など足のトラブルになる
ここからは、それぞれのトラブルについて詳しく解説していきます。
ふくらはぎが太くなる
足裏の使い方が崩れて土踏まずのアーチが潰れてくると、歩いたときの衝撃を土踏まずのアーチで吸収できなくなります。
するとふくらはぎで衝撃を受け止めることになるため、ふくらはぎの筋肉が必要以上に発達してしまい太くなる原因になります。
そのため、ふくらはぎが筋肉質で悩んでいる人は足裏のアーチがあるか見直してみるのがおすすめです。
腰痛になる
前述の通り、足裏のアーチがなくなると内側に体重が内側にかかるためX脚になりやすいです。すると、股関節が内側に回る力が大きく働きやすくなるため、骨盤が前傾し反り腰になるリスクがあります。
反り腰は腰に大きな負担がかかり、腰痛の原因になります。お腹の力が抜けていたり骨盤の歪んだりして反り腰になるケースも多いですが、大元の原因は土台である足裏の使い方の可能性も高いです。
足裏を正しく使えているかチェック!
足裏が正しく使えているかチェックするには以下の3点を確認してみましょう。
- 左右のくるぶしの高さが同じ
- 指が浮いていない
- 土踏まずのアーチが潰れていない
ここからは、それぞれのチェック方法について詳しく解説していきます。
左右のくるぶしの高さが同じ
くるぶしは内側と外側で左右の足首に2つずつついています。そのため、それぞれの足の内側と外側のくるぶしの高さが同じであるか確認してみましょう。
内側が低い場合は、土踏まずのアーチが潰れている可能性が高いです。外側が低い場合は母指球できちんと床が押せていない可能性が高いです。
重心の偏り方など左右の足で差が出やすいので、鏡で見たり家族に見てもらったりして確認してみましょう。
指が浮いていない
指が常に浮いている人は、かかとに重心が乗っています。そのため、バランスをとるために骨盤が前に出てしまい反り腰になったり猫背になったりと姿勢が崩れる原因になります。
また、頭の重さを支えきれず前に傾いて首に負担がかかるストレートネックになり、首や肩こりのリスクもあるので注意が必要です。
立ち上がったときに、すべての指がきちんと床についているか確認してみましょう。1本でも指が浮いていたら浮き指の可能性が高いです。
土踏まずのアーチが潰れていない
土踏まずのアーチが潰れて足裏すべてがベタっと床におりている状態を「扁平足」と呼びます。
アーチが潰れると足や腰に負担がかかるほか、足の筋肉も正しく使えません。前述の通りふくらはぎが太くなるなど見た目にも影響が現れるケースも多々あります。
確認する際は、自分の足跡を観察してみるのがおすすめです。お風呂上がりなど、足跡を見たときに土踏まずのアーチを確認してみましょう。
足裏全体がベタっと跡がつくようであればアーチが潰れている証拠です。
正しい足裏の作り方
正しい足裏の状態を作るには以下の手順がおすすめです。
- 足を腰幅に開いて立つ
- つま先を正面に向けて左右の小指からかかとのラインが平行になるようにそろえる
- 足指10本を床から浮かせて小指球(小指の付け根)に体重をかける
- かかとにも体重を乗せて足の外側で床を押し、土踏まずのアーチを浮かせる
- 土踏まずのアーチを保つように指の付け根を小指から親指にかけて下ろし、母指球(親指の付け根)にも体重を乗せる
- 母指球・小指球・かかとの3点に均等に体重が乗ったら10本指を下ろす。このとき指には力を入れずにただ下ろすだけにする
土踏まずのアーチが潰れている人は、外側に体重を乗せるとバランスがとりにくくなります。
また、前重心の人は指を浮かせたりかかとに体重を乗せたりすると転倒しやすくなるので、初めは壁や椅子などに捕まりながら行いましょう。
正しい足裏を作るためのほぐし&トレーニング
足裏を正しく整えるやり方でバランスがとりにくかった方は、足裏の筋肉が弱くなっている可能性があります。以下4つのマッサージやトレーニングで、足裏の筋肉を使えるようになりましょう。
- 土踏まずのマッサージ
- 足指関節のトレーニング
- 土踏まずのアーチを作るトレーニング
土踏まずのマッサージ
まずは土踏まずがきちんとアーチを描けるようにほぐしましょう。やり方は以下の通りです。
- 足裏が自分の方を向くように座る
- 親指でかかと側から指の方に向かって押しながら流す
土踏まずのアーチが潰れていると普段きちんと筋肉を使えておらず硬くなっているため、ほぐすと痛みを感じやすいです。
痛みが強い場合は手の力を緩めるなどして調節しましょう。
足指関節のトレーニング
足指の付け根にある関節が動きにくくなると土踏まずのアーチが潰れたり浮き指の原因になったりするため、動かしやすくするトレーニングをするのがおすすめです。以下のやり方で試してみましょう。
- 足指でグーを作るようにぎゅっと握る
- 足指でチョキを作るように親指と4本指を前後に動かす
- 足指でパーを作るように5本指を大きく広げる
足指でグーチョキパーを作るように動かすと関節をほぐせます。
簡単にできるほか、土踏まずのアーチを引き上げるトレーニングにもなるのでおすすめです。
土踏まずのアーチを作るトレーニング
足指が動かしやすくなったら、土踏まずのアーチを引き上げるトレーニングを行います。土踏まずのアーチが潰れているのは、足裏の筋肉が弱くなっているためです。
そのため、足裏の筋肉を縮めて筋肉を使う動きを行うことで土踏まずのアーチを作ります。やり方は以下の通りです。
- 膝を立てた状態で座り、手を後ろにつく
- 足指の関節の辺りにタオルを敷く
- 足指でタオルを握りながら手繰り寄せる
タオルがない場合は、手繰り寄せる動きのみを行うのでも十分効果があります。指だけでなく、土踏まずのアーチまで縮むぐらいぎゅっと握りましょう。
土台の足裏から整えて姿勢改善を目指そう
今回は姿勢を改善するのに必要な土台である足裏の整え方について紹介してきました。運動不足により足裏の筋肉が弱くなると、土踏まずのアーチがなくなったり重心がブレたりして姿勢が崩れてしまいます。
足裏がきちんと整えば、良い姿勢を安定してとれるようになるので、今回紹介してきた方法で足裏のほぐしやトレーニングを行うのがおすすめです。