夏の暑さがやってくると食欲がなくなり、なかなか疲れが取れない人もいるでしょう。一時的なものなら心配いりませんが、もし不調が続くなら「胃腸バテ」かもしれません。胃腸バテは、生活の質を下げるさまざまな不調につながります。胃腸の調子が悪いと感じたら、早めに対処することが大切です。
本記事では胃腸バテについて解説します。毎年夏バテしてしまう・暑い時期に体調を崩すという方は、ぜひ参考になさってください。
胃腸の働きが低下「胃腸バテとは」
胃腸バテとは胃腸の機能が低下し、さまざまな不調が起こることです。たとえば、胃腸バテになると、次のような症状が表れます。
- 食欲がない
- 胃が痛い
- 胃が気持ち悪い
- 吐き気がする
- 疲れやすい
- だるい
胃腸の働きが悪くなると食べ物をうまく消化・吸収できず、体が疲れやすくなります。胃腸が重くだるさが続くようなら、胃腸バテを疑ってみましょう。
なお、胃腸バテと似た言葉に「夏バテ」があります。夏バテは暑さにより生じる不調全般のことです。一方、胃腸バテは胃腸の機能低下によって起こる不調のこと。胃腸バテは、夏バテによくある症状のひとつと言えます。胃腸バテは夏だけでなく秋に起こることもあるため、暑さが和らいでも注意が必要です。
胃腸バテを放っておくと、さらに体調が悪化するおそれがあります。胃腸バテかもしれないと思ったら、早めに対処しましょう。自分で工夫しても様子が変わらないなら、医療機関に相談することをおすすめします。
胃腸バテの原因は生活習慣にあり
胃腸バテは、自律神経の乱れや生活習慣によって生じると言われています。
(1)自律神経が乱れている
自律神経の乱れは、胃腸の不調につながります。暑い季節に気をつけたいのが、屋外と室内の気温差です。近年、夏は厳しい暑さが続いており、熱中症予防のために冷房を使わざるを得ません。
自律神経は周りの環境に合わせて体を調整しているので、室内外の気温差が大きいと負荷がかかりやすくなります。その結果、自律神経のバランスが乱れて不調の原因に。自律神経は消化器官をコントロールする機能もあるため、胃腸の調子が悪くなるのです。
冷房のきいた室内では、1枚羽織る・ひざ掛けやストールで体が冷えすぎないようにするなどの工夫をしましょう。
(2)冷たいものを取りすぎる
暑さが厳しくなると、冷たい料理や飲み物がとてもおいしく感じられます。自炊をする方は手早く調理できるそうめんや、火を使わなくてすむ1品料理が増えるのではないでしょうか。
しかし、冷たいものばかり食べていると胃腸が冷え、不調につながります。食欲のない時は雑炊や野菜スープなど、温かく胃に負担のかかりにくい食事を取るのもよいですね。冷たい料理を食べたあとに温かい飲み物を飲むと、胃腸の冷え防止に効果的です。
また、暑さで調理が面倒になると、自然と使う食材の数が減ってきてしまいます。暑い時期こそたんぱく質や野菜の摂取を意識して、バランスのよい食生活を心がけましょう。そうめんに薬味をのせる・丼物にはサラダやスープをつけるといった工夫をして、栄養や彩りを意識することが大切です。
(3)過度なストレスを感じている
過度なストレスが長期間続くと、胃腸の機能が低下する可能性があります。緊張するとおなかが痛くなる人がいるように、ストレスと胃腸は密接に関係しているからです。ストレスで暴飲暴食するのもよくありません。胃腸に負担がかかり、不調の原因となります。
週末に好きなことをして心身をリフレッシュさせたり、ヨガや散歩などの軽い運動をしたり、ストレスをため込まないように気をつけましょう。
胃腸バテになりやすいのはどんな人?
次に当てはまる人は、胃腸バテになりやすいと言われています。
- 季節の変わり目に体調を崩すことが多い
- 寝つきが悪い
- おなかの調子がよくない
- 偏食で好き嫌いが多い
- 食事は加工食品や外食がほとんどだ
- 仕事が忙しくて休みが取れない
- 食事の時間や睡眠パターンが不規則だ
- ストレスを感じるとおなかが痛くなる
胃腸バテは、胃腸の働きが低下することが原因です。日々自分の体を観察して体調に気をつければ、胃腸バテの予防につながります。
たとえば、おなかの調子がよくないなら「腸活」をして腸内環境を整える・普段の食事を見直すなどの工夫をしてみましょう。腸内環境が整うと免疫機能が高まるので、体調を崩しにくくなる効果も期待できます。寝つきが悪いなら、帰宅後はPCやスマホを触らない・湯船に浸かってリラックスしてから布団に入るなど、小さなことから試してみましょう。
生活習慣をがらりと変えるのは難しいですが、何か1つだけなら気をつけることは、できるのではないでしょうか。暑い時期を元気に乗り切るために、自分の体に目を向けてみてくださいね
胃腸バテになる前に生活習慣を見直そう
胃腸バテとは胃腸の働きが低下し、食欲がない・疲れやすいなどの不調が表れることです。胃腸の働きが悪くなると食べ物をうまく消化できず、体に十分な栄養が行き渡りません。胃腸バテになる前に生活習慣を見直し、暑い季節も健やかに過ごしましょう。バランスのよい食事や十分な休息は取れていますか?冷たいものの食べすぎや暴飲暴食など、胃腸に負担がかかる行為は避けましょう。できることから1つずつ生活習慣を見直し、体調を整えることが大切です。