寒くなってくると、「冷え性」に悩む人も多いのではないでしょうか。冷え性には冷えを感じる部位によって種類があります。
なかでも手先や足先が冷たくなる「四肢末端型冷え性」を自覚している人は多いでしょう。
今回は四肢末端型冷え性について、原因やおすすめなヨガポーズをご紹介します。末端を温めるマッサージも紹介するので、リラックスしたいときや寒くて眠れないときに試してみてください。
<目次>
自律神経の乱れ
筋力の低下
肩・肩甲骨ほぐし
三本足のダウンドッグ
ハイランジで伸びアレンジ
手足つなぎ
足指マッサージ
手指マッサージ
四肢末端型冷え性とは
四肢末端冷え性は、体温は通常にもかかわらず手先や足先のみ冷えるのが特徴です。若い女性に現れやすい症状で、酷い人だと夏でも末端のみ冷えを感じるケースもあります。
暖房器具や防寒具を使用しても温まりにくく、悪化するとしびれやあかぎれなどの症状を伴うこともあります。食事に配慮したりヨガなどの軽い運動をしたりなど、体の内側から末端冷え性の対策をするのが重要です。
四肢末端型冷え性の原因
四肢末端型冷え性は、血流が悪く末端まで暖かい血が届かないことが原因です。血流量が悪くなる原因として、以下の2つがあげられます。
- 自律神経の乱れ
- 筋力の低下
自律神経の乱れ
自律神経には「交感神経」と「副交感神経」の2種類があります。交感神経は体が活動的な状態のときに働き、副交感神経はリラックスしているときに働くのが特徴です。
交感神経には血管を収縮させる作用があるため、常に交感神経が働いていると血流が悪くなります。反対に副交感神経は、血管を拡張させる作用があるので、優位に働くと血流が促進されます。
交感神経はストレスがかかったり寒い環境に居続けたりすると優位になるので、体をリラックスさせたり、暖かい場所で過ごしたりして対策しましょう。
筋力の低下
筋肉にはポンプのように血液循環を促す働きがあります。そのため、筋力が低下すると血流を促す働きが弱くなり、血行が悪くなるため末端まで温かい血液を届けられません。
さらに、筋肉には身体の熱を生み出す働きもあるので、ヨガなどの軽い運動やストレッチで筋力をアップさせましょう。
四肢末端型冷え性におすすめなヨガポーズ
四肢末端型冷え性におすすめなヨガポーズとして、以下の3つがあげられます。
- 肩・肩甲骨ほぐし
- 三本足のダウンドッグ
- ハイランジで伸びアレンジ
ここからはそれぞれのやり方について解説します。
肩・肩甲骨ほぐし
肩や肩甲骨の筋肉が固くなると血流が悪くなるなるため、手先まで血液が届きにくくなります。肩こりや首のこりの原因にもなるので、きちんとほぐしましょう。
- あぐらで座ったら両手を肩の高さに広げ、手の甲を正面に向ける。肩は内側に回して親指が床をむくようにセット
- 息を吐きながら手の甲同士を寄せるように両手を前に伸ばす。このとき背中を丸め、肩甲骨が背骨から離れるぐらい両手を前に引っ張る
- 息を吸いながら手のひらを正面に向け、両手を開き後ろへ寄せる。このとき、肩の関節から外へ回しながら胸を開き、骨盤は床と垂直で止める
- 何度か繰り返したあと、吸いながら手を広げたら後ろへ回し、そのまま腰の辺りで手を組む
- 肘を寄せ合い、こぶしを床へ下ろして胸を開きながら肩の力は抜く
肩甲骨・肩・背骨を同時にほぐせるポーズです。なるべく骨盤から背骨を動かし、おしりを前後に転がすイメージで背骨に動きをつけましょう。
また、肩の関節から内外に回すことで肩の血流が促進され、肩こり改善効果も期待できます。続けていくと、指先まで暖かく感じられるようになるでしょう。
三本足のダウンドッグ
ダウンドッグのように頭が胸よりも下に来る「逆転のポーズ」は、血行を促進したり自律神経のバランスを整えたりする効果が期待できます。さらに、片足を上げることで、戻したときに足先まで温かい血液が流れやすくなるのもメリットです。
- 四つ這いになり、両手を手のひら1枚分前に歩かせる
- つま先を立てたらおしりを天井に持ち上げてダウンドッグになる
- 脇の下を自分の顔へ向け、肩の詰まりを開いた状態にする
- 右足を高く天井へ上げ、骨盤も右に開く
- 右膝を曲げてかかとをおしりに近づける
- 膝を後ろへ引き、足の付け根や前ももを伸ばす
- 左の脇の下もいれこむようにして、左の胸が下から少し除くように意識する
膝を曲げることで足の付け根が伸び、鼠径部の大きな動脈を刺激できます。また、脇の下から覗くことで上半身に軽いねじりが入るので、さらに全身の血管を刺激し冷え性の改善につながるでしょう。
ハイランジで伸びアレンジ
ハイランジは後ろのつま先を背伸びしているので、指に力をいれやすく四肢末端型冷え性におすすめなポーズです。今回は手先の冷えにもアプローチできるように、伸びのアレンジバージョンで紹介します。
- マットの前の方で立ち、両手を腰に添える
- 左足を大きく1歩後ろに引いてつま先を立てる。右足付け根を引き込んで骨盤を正面向きにし、尾骨を床に向けて骨盤を垂直に立てる
- 両手を上げたら頭の上で手を組み、手のひらを天井に向けて伸びる
- 体を右に倒し左の脇腹を伸ばす。後ろ足で床を踏みながら手のひらを右斜め上へ押し上げる
- 体を戻したら伸びをしたまま右へねじる
- 体を垂直にしたままねじり、内臓へ刺激を加える
体を横に倒したりねじったりするとき、腰の高さが変わりやすいのでなるべく平行に揃えながら動きましょう。
背骨に動きを加えることで、自律神経が整いやすくなります。とくにねじりによる内臓への刺激は自律神経のうち副交感神経を優位にするため、リラックスして血管が拡張します。
血流が良くなるのに加え、上げ続けていた腕を下ろすと指先まで温かい血液が通いやすくなるので、末端冷え性の改善におすすめです。
四肢末端型冷え性におすすめなマッサージ
四肢末端型冷え性におすすめなマッサージとして、以下の3つがあげられます。
- 手足つなぎ
- 足指マッサージ
- 手指マッサージ
手足つなぎ
手足つなぎでは、手指と足指を同時にマッサージできます。初めは冷たくても徐々に温まってくるので、以下のマッサージを何度か繰り返してみましょう。
- 足を前に伸ばした長座になる
- 右足首を左の前ももに乗せて、左手を右の足指に絡ませるようにつなぐ
- そのまま足首を回す
- 数回繰り返したあと手をギュッと握り足指を引っ張りながら離す
足首も硬くなると足先に血流が届かなくなる原因になります。手足を握ったまま足首からほぐし、最後に握りながら離すことで足先まで温まりやすくなります。
足指マッサージ
足指が冷えて寒くて眠れないと不眠になるため、自律神経が乱れてさらに冷え性が悪化する可能性があります。寝る前などにマッサージで温めましょう。
- 足指の親指と人差し指を持ち、前後に割くようにして動かす
- すべての指を1本ずつ行う
足指マッサージのときは、手を温めたりホットタオルを当てたりしながら行うと効果的です。
手指マッサージ
手先は外出時など冷えを感じやすく、かじかんで動かしにくくなることもあります。外出先でも簡単にできる手指マッサージで温めましょう。
- 人差し指の第1関節を反対の指でつまみながら押す
- つまんだまま左右にひねるように揺らす
大きな動きではないので、外出先やオフィスでも簡単にできます。手指が冷たく感じるときに試してみてください。
ヨガとマッサージで末端冷え性の対策をしよう!
今回は四肢末端型冷え性について、おすすめなヨガポーズやマッサージを紹介してきました。基本的には血流を促進することで末端まで血液が届くため、血管を拡張するためにリラックスする時間を作るのがおすすめです。
さらに、ヨガのような軽い運動で筋力をつけて熱を生みやすい体を作れば冷え性も改善されやすくなります。マッサージも取り入れながら、今年の冬の寒さに備えましょう。