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世界と日本の発酵食品【身近なアレも実は発酵食品だった】

近年、健康と美容に役立つ発酵食品に注目が集まっています。なんとなく体に良さそうだからと、食事に取り入れている方もいるのではないでしょうか。

 

日本はもちろん、世界にはさまざまな発酵食品があります。広く食べられているものから地域限定のものまで、発酵食品は種類が豊富です。本記事では、世界と日本の発酵食品について紹介します。たまには普段と違う発酵食品を食べてみませんか?



世界の発酵食品

世界の発酵食品

発酵食品大国と呼ばれるほど多くの発酵食品がある日本ですが、海外にも食生活や風土に合わせた発酵食品があります。日本でも身近なあの食品も、実は発酵食品なのです。 

 

<日本人にも馴染みのある世界の発酵食品>

日本人にも食べやすく、手に入れやすい発酵食品や発酵調味料を紹介します。

 

ザワークラウト(ドイツ)

ドイツの発酵食品と言えば、ザワークラウトが有名です。キャベツの塩漬けを乳酸菌発酵させて作ります。さっぱりとして、箸休めにちょうど良い味です。ヨーロッパやアメリカでは、ソーセージや肉料理の付け合わせとしてよく出てきます。

 

ピクルス(ヨーロッパ)

ヨーロッパで日本の漬物のような存在と言えば、ピクルスです。野菜をつける際に香辛料を入れるのが特徴で、ヨーロッパでは果物や卵もピクルスにします。ピクルスはアレンジしやすいので、さまざまな食べ方で楽しめます。冷蔵庫にあると、便利に使える食材です。

 

キムチ(韓国)

キムチが発酵食品であることは良く知られていますね。キムチは白菜や大根などの野菜に、唐辛子や塩、ニンニクなどを加えて乳酸菌発酵させた漬物です。キムチは発酵が進むと酸味が強くなるため、購入してから時間が経ってしまったキムチは料理に使うと良いでしょう。

 

メンマ(中国)

ラーメンでおなじみのメンマは、麻竹と呼ばれるタケノコを乳酸菌発酵させて作られた食品です。メンマが発酵食品とは知らずに食べている方も、多いのではないでしょうか。

 

メンマの原料となる麻竹は日本ではほとんど生育していないため、メンマの大半は輸入品です。しかし近年、放置竹林のタケノコを使って、メンマの製造をする取り組みが行われています。日本の孟宗竹を使ったメンマはうま味やコクがあり、とてもおいしいそうですよ。

 

ザーサイ(中国)

ザーサイは、瓶詰でよく見かけますね。からし菜の一種であるザーサイは、茎の根元部分がボコっとこぶ状に膨らんでおり、その部分を塩と酢で漬け込んだものが「ザーサイ」です。コリコリとした食感が特徴で、「畑のアワビ」とも呼ばれています。(恥ずかしながら、筆者は最近までザーサイはきのこの一種だと思っていました。きくらげに食感が似ていませんか?)

 

ザーサイは具材やおつまみとしてもおいしいですが、味付けのアクセントに使うのもおすすめです。

 

アンチョビ(ヨーロッパ)

アンチョビはカタクチイワシの内臓を取り除いてから塩漬けにし、熟成発酵させてオリーブオイルにつけたもの。地中海沿岸地域が主な産地です。アンチョビは塩気が強いので、サラダやパスタなどの料理に使われます。アンチョビの風味が気になる場合は、ニンニクやオリーブオイルと炒めてから使うのがおすすめ。茹で卵やバケットに少量つけるだけで、とてもおいしく食べられます。

 

ナタデココ(フィリピン)

独特の食感が人気のナタデココも、実は発酵食品です。正式には「ナタ・デ・ココ」と言い、ココナッツの果汁に砂糖と酢酸菌の一種であるナタ菌を加えて発酵させたもの。ナタデココの主成分は食物繊維のため、腸活にも効果的です。

 

ナンプラー(タイ)

タイ料理にはかかせないナンプラーは、魚を発酵させて作った調味料。いわゆる魚醤です。独特の風味とうま味が特徴で、チャーハンや炒め物、スープなどに少量加えるだけで東南アジア風に変化します。エスニック料理が好きな方は、ぜひ常備したい発酵調味料です。

 

バルサミコ酢(イタリア)

バルサミコ酢はブドウの濃縮果汁を酢酸発酵させ、樽の中で長期間熟成させて作られます。香りが良く、パスタやサラダ、ソースに使われることの多い調味料です。アイスやヨーグルトにも合うそうなので、気になる方はぜひ試してみてください。

 

タバスコ(アメリカ)

あまり知られていませんが、実はタバスコも発酵調味料です。タバスコはアメリカのマキルヘニー社の創業者が考案し、現在も同社が商標権を持っています。

 

タバスコは、タバスコペッパーという唐辛子と塩を、オーク樽で長時間熟成して作られます。最後にビネガー酢と混ぜて製造されるのですが、詳細なレシピは門外不出。トマトや魚介類を使った料理との相性が良く、日本でもおなじみの調味料です。

 

<ちょっと独特で好みが分かれる発酵食品>

続いて、独特の味や風味が特徴の発酵食品を紹介します。

 

シュールストレミング(スウェーデン)

世界一臭い食べ物とも言われるシュールストレミングは、ニシンの塩漬けを発酵させたもの。缶詰の中でも発酵が進むため、冷蔵保存が基本です。においは強いものの、塩気の強いアンチョビのような味で、魚についた汁気を取ると食べやすくなります。現地ではじゃがいもやサワークリーム、刻んだ玉ねぎと一緒に食べるそうです。

 

ベジマイト(オーストラリア)

ベジマイトはさまざまな野菜をイースト菌で発酵させたもの。オーストラリアやニュージーランドではメジャーな調味料です。見た目はチョコレートのようですが、味は独特。発酵臭と塩気が強いのが特徴です。ベジマイトをパンに塗ってトーストすると、日本人の口にも合いやすいと言われています。

 

臭豆腐(中国・台湾)

臭豆腐は、植物性の発酵液に豆腐を漬け込んだものです。独特の発酵臭が特徴で、揚げたり蒸したりして食べます。食べてみると「意外とにおいが気にならない」という方もいるようです。

日本の発酵食品

醤油や味噌、納豆などの身近な発酵食品だけでなく、特定の地域で食べられている発酵食品もあります。旅行に出かけた際や、通販でお取り寄せして食べてみるのも楽しいですね。

 

めふん(北海道)

めふんはサケの腎臓の塩辛で、北海道の郷土珍味です。塩辛は魚介類の身や内臓に食塩を加え、発酵・熟成させた発酵食品。めふんはレバーのように真っ黒で、かなりとろみがあります。ご飯のお供だけでなく、お酒のおつまみとしても楽しめます。

 

フグの卵巣のぬか漬け(石川)

フグの卵巣には毒がありますが、2年以上塩と糠につけると毒素がなくなるのだとか。発酵の力はすごいですね!フグの卵巣のぬか漬けは塩気の強い味なので、お茶漬けやパスタにしてもおいしく食べられます。

 

すぐき漬け(京都)

すぐき漬けは、カブの一種である「すぐき」を塩漬けし、乳酸菌発酵させて作ります。酸味の強い味と、甘酸っぱい香りが特徴です。すぐきは流通量が少ないため、京都以外の地域にはあまり出回りません。気になる方は、ぜひお取り寄せしてみましょう。

発酵食品を楽しもう

本記事で紹介した発酵食品は、ほんの一例です。収穫される農作物や魚介類、気候などによって、発酵食品の味わいは異なります。世界の発酵食品と日本の発酵食品を、食べ比べてみるのも楽しいのではないでしょうか。発酵食品は食卓を豊かにしてくれます。健康や美容のためにも、毎日少しずつ発酵食品を食べましょう。