マッサージボールといえば筋膜リリースをイメージする人も多いのではないでしょうか。小さなボールで体をほぐすときも小回りが効きやすく、場所も取らないのでとても便利です。
使い方を工夫すれば、筋膜リリースだけでなくリンパマッサージにも使えます。今回はマッサージボールを使ったリンパマッサージのやり方を紹介するので、ぜひ試してみてください。
<目次>
筋膜リリースができる
リンパの流れを促進できる
便秘改善効果もある
摩擦がないから敏感な部位も肌を傷つけずにできる
体重を利用して奥まで刺激できる
耳下腺リンパマッサージ
鎖骨のリンパマッサージ
お腹のリンパマッサージ
鼠径部のリンパマッサージ
マッサージボールの効果
マッサージボールでほぐすことにより以下3つの効果が期待できます。
- 筋膜リリースができる
- リンパの流れを促進できる
- 便秘改善効果もある
ここからはそれぞれの効果について詳しく見ていきましょう。
筋膜リリースができる
筋膜とは、筋肉や内臓を覆っている薄い膜のことです。筋肉の繊維状の組織1本1本や内臓をすべて覆っており、筋膜のみになっても体の構造がわかることから「第2の骨格」とも呼ばれています。
しかし、筋膜は姿勢の乱れや同じ姿勢で長くいることなどにより癒着しやすい特徴があります。一度癒着すると筋膜がよじれ、癒着している部分に引っ張られている状態になるため、慢性的な肩こりや腰痛などの不調に。
マッサージであれば、よじれている筋膜をほぐす「筋膜リリース」が手軽にできるのが大きなメリットです。とくに筋膜は、圧をかけることにより癒着が剥がれる性質があります。素手で行うよりも、マッサージボールで体重を圧として使いながら行うとより効果的でおすすめです。
リンパの流れを促進できる
リンパ管は体中に張り巡らされており、中を通るリンパ液は体内で不要になった老廃物や病原体を回収する役割があります。しかし運動不足などが原因でリンパが詰まると、老廃物を排出できなくなるためむくみや肌荒れの原因となります。そのため、リンパの流れは常にスムーズであるのが理想的です。
マッサージボールがあれば、いつでもリンパマッサージができます。また、強い力をかける必要がないので力がない女性でも疲れずにマッサージできておすすめです。
便秘改善効果もある
リンパはお腹にも張り巡らされており、マッサージをすることで内臓の働きを活発にする効果があります。そのため、便秘改善にもおすすめです。
とくにマッサージボールを使うと力加減がしやすく、爪を立てて皮膚を傷つけることもないため安全にマッサージできます。
マッサージボールの使い方
マッサージボールの使い方として代表的な動きは以下の2つです。
- 転がす
- 体重を預けて奥までほぐす
リンパマッサージでは、基本的に「転がす」動きでマッサージすることが多くなり、筋膜リリースのように奥まで解したいときは「体重を預ける」動きがおすすめです。目的によって使い分けましょう。
マッサージボールでリンパマッサージをするメリット
素手ではなく、マッサージボールでリンパマッサージをすることにより以下2つのメリットがあります。
- 摩擦がないから敏感な部位も肌を傷つけずにできる
- 体重を利用して奥まで刺激できる
摩擦がないから敏感な部位も肌を傷つけずにできる
リンパマッサージは基本的にさする動きが多いため、素手にオイルなどをつけ、滑りを良くした状態で行います。そのため、入浴中や入浴後など、マッサージできる時間が限られてしまうのがデメリットです。マッサージボールであれば、摩擦がないためオイルを塗る必要がなく、ボールさえあればいつでもどこでもマッサージできます。
バッグに入る大きさで場所も取らないので、オフィスなどに持ち歩いて使うのもおすすめです。
体重を利用して奥まで刺激できる
リンパマッサージをするときに、場所によっては手で押しながら刺激を加える場合もあります。その際、自分で自分の体を指圧するのは力が入りにくく、満足にマッサージできないケースもあるでしょう。
マッサージボールであれば、体勢を工夫して体重をかけるような形でマッサージができます。強い力をかけなくてもきちんとマッサージできるだけでなく、力加減もしやすいのでおすすめです。
マッサージボールでできるおすすめなリンパマッサージ4選!
マッサージボールでできるリンパマッサージとして、以下4つがあげられます。
- 耳下腺のリンパマッサージ
- 鎖骨のリンパマッサージ
- お腹のリンパマッサージ
- 鼠径部のリンパマッサージ
ここからは、それぞれやり方を紹介していきます。どれもベッドの上や椅子に座りながら簡単にできるので、ぜひ試してみてください。
耳下腺リンパマッサージ
耳下腺のリンパは、耳の下のくぼみにあるリンパ節です。耳下腺から輪郭を通り、顎の下までつながっています。耳下腺のリンパをマッサージすることで顔のむくみ改善につながるため、寝起きなどに行うとおすすめです。
※今回は、わかりやすく大きなボールを使っていますが、小さなボールを使ってください。
やり方
- 耳の下のくぼみにマッサージボールをセットする
- 輪郭を通り転がしながら顎の下へ移動
- 顎下の骨の内側にマッサージボールをセットし、頭は動かさずボールを押し当てる
- 耳下~顎下を行ったり来たりする
耳下腺リンパのマッサージは、小さめのマッサージボールで行うのがおすすめです。慣れてきたら耳下のくぼみをマッサージボールでグリグリ刺激してみるのもいいでしょう。
鎖骨のリンパマッサージ
鎖骨は全身を回って老廃物を回収したリンパが最後に集まるため、詰まりやすい場所です。足や耳下腺などほかの場所をリンパマッサージしても、鎖骨のリンパの流れが悪ければ効果は出にくいため、必ず鎖骨のリンパマッサージは行いましょう。
※今回は、わかりやすく大きなボールを使っていますが、小さなボールを使ってください。
やり方
- 鎖骨の内側で1番真ん中(喉仏の下あたり)にボールを当てる
- 鎖骨に沿って左右に転がす
- 鎖骨の下あたりをボールで左右に転がしてほぐす
鎖骨の内側をマッサージするときは、ゴルフボールほどの小さなマッサージボールをおすすめします。また、マッサージ中はほぐしている鎖骨と反対側に首を倒し、首から鎖骨にかけて伸ばしながら行うとよりほぐれておすすめです。
お腹のリンパマッサージ
お腹周りにもリンパが集まっているため、お腹をボールでマッサージすると便秘やむくみ改善の効果が見込めます。腹部リンパは肋骨の下、腰骨の周りにあるので、上下に分けて行いましょう。
※今回は、わかりやすく大きなボールを使っていますが、小さなボールを使ってください。
<上部>
- みぞおちの少し右、肋骨の下にボールを押し当てる
- 肋骨に沿って外へ転がす
- 反対側も同様に行う
<下部>
- 右の腰骨の内側にボールをセット
- 腰骨の周りをカーブするように上から下へ、そこから外へ転がす
- 左も同様に行う
とくに肋骨はもろく、固いものを力強く当てるとヒビが入る可能性があるため、肋骨には上から圧力をかけないようにしましょう。また、仰向けの状態の方がやりやすくなるので、寝る前などに行うのがおすすめです。
鼠径部のリンパマッサージ
鼠径部には体の中でも大きなリンパ節があります。リンパ節には関所のような役割があり、回収した老廃物をろ過しています。詰まりが発生しやすい部位であるため、リンパマッサージでは、リンパ節周辺をほぐすことが多いです。とくに鼠径部の場合、デスクワークなど長時間座ることが多い人は詰まりやすいためボールを使ってほぐしていきましょう。
※今回は、わかりやすく大きなボールを使っていますが、小さなボールを使ってください。
やり方
- うつ伏せになる
- 鼠径部と床の間にマッサージボールを入れ、体重をかける
- 前後に揺らしながら刺激を加える。ボールを一個分ずつずらし、鼠径部の内側から外側にかけて満遍なくほぐす
痛みがある場合は体重をかけすぎないように調整します。初めは揺れずに、体重を少しづつかけるだけでもいいので無理せず行いましょう。
マッサージボールで簡単にリンパの詰まりを改善しよう
今回はマッサージボールでできるリンパマッサージを紹介しました。強い力は必要ないため簡単にほぐしやすく、持ち運びもしやすいため、いつでもどこでもほぐせます。
リンパマッサージは継続することでむくみ解消効果が期待できるので、まずはマッサージボールを持ち歩き、気づいたときにリンパを流す習慣をつけることを、おすすめします。