「リラックスしている」とは、心と体が緩んでいる状態をさします。リラックスするとさまざまなメリットがあるため、自分に合った方法でリラックスすることが大切です。
本記事ではリラックスとはどのような状態か、リラックスするにはどうすれば良いのかについて解説します。
リラックスとはどのような状態か
リラックスとは、心身の力が程よく抜けている状態のことです。具体的には以下のような状態の時、リラックスしていると言えます。
- 心が穏やかで落ち着いている
- 頭に悩みや不安が浮かんでこない
- 体に余分な力が入っていない
- 緊張していない
- 呼吸がゆっくりしている
心と体はつながっているため、どちらか一方に疲れを感じる時はリラックスしているとはいえません。「気疲れ」という言葉があるように、体は動かしていなくても、気を使いすぎれば疲れてしまいます。心身ともに穏やかでゆったりとしているのが、リラックスしている状態です。
また、リラックスしている時は、体は副交感神経が優位になっています。
自律神経には交感神経と副交感神経があり、この2つが交互に働くことで体を調整しています。交感神経は活動中に優位になり、副交感神経は休息中に優位になるのが特徴です。交感神経と副交感神経がともにしっかり働いていると、日中は元気に活動でき、夜はぐっすり眠れます。
しかし、ストレスや不規則な生活、疲労の蓄積などによって自律神経のバランスが乱れると、次のような状態に陥ります。
- 日中もだるさや眠気が続き、仕事に集中するまでに時間がかかる(交感神経が低く、副交感神経が高い)
- 夜も目が冴えて眠れない(交感神経が高く、副交感神経が低い)
- 常に疲れていてやる気がでない(交感神経・副交感神経、共に低い)
これでは困りますよね。
仕事や生活で過度なストレスを感じている場合、交感神経が優位になりすぎてしまい、夜になっても体が休息モードに入りにくくなります。現代生活でよくみられるパターンです。寝ても疲れが取れない、寝た気がしないという方は要注意。交感神経と副交感神経のスイッチが上手に切り替えられるよう、意図的にリラックスする時間を確保しましょう。
リラックスするメリット
リラックスには、次のようなメリットがあります。
(心)
- 前向きになれる
- 心に余裕が生まれ、視野が広くなる
- やるべきことに集中できる
(体)
- 血流やリンパの流れが良くなる
- 肩こりや腰痛が和らぐ
- むくみの軽減につながる
- 顔色が良くなる
リラックスすることは心身を良い方向に向かわせるだけでなく、仕事や日常生活にも良い影響をもたらします。
しかし、ストレスの多い生活を送る現代人には、「リラックス」そのものが難しい傾向にあるのかもしれません。心身の不調を感じながらも、毎日頑張っている方も多いでしょう。
好きなことをしているはずなのにリラックスできない・疲れが取れないと感じるなら、あらためて自分に合ったリラックス方法を探してみることが大切です。
リラックスするには?
何をすればリラックスできるのかは人によって違うため、自分に合ったリラックス方法で心と体を和らげましょう。たとえば、リラックス方法には次のようなものがあります。
- 音楽を聞く
- 本を読む
- 映画を見る
- ゆっくりお風呂に入る
- 料理をする
- 部屋を掃除する
- 好きな飲み物を飲む
- 好きな香りを楽しむ
- 体を動かす
心地よい・楽しいと、心から感じられることをするのがポイントです。
体を動かすのは、激しい運動でなくても散歩やストレッチなどで構いません。とくに、ヨガはおすすめのエクササイズです。ヨガは交感神経と副交感神経のバランスを整えるのに効果的。毎日の生活に取り入れると、体の調子を整えやすくなります。
リラックスしたい時におすすめヨガポーズ4選
体が疲れている時や、ヨガ初心者でも取り組みやすいポーズを集めました。ヨガは自宅で好きな時間にできるエクササイズです。短時間でも毎日継続することで、効果が期待できます。
<合蹠のポーズ>
合蹠のポーズは足を大きく広げ、股関節や腰周りの筋肉をほぐします。デスクワークの多い方・月経痛がつらい方は、ぜひ取り入れたいポーズです。
(1)背筋を伸ばして座り、足裏同士を合わせる。
(2)両手で足を包みこみ、息を深く吸いこむ。
(3)息を吐きながら、体を前に傾ける。背中が丸くならないよう、腰からまっすぐに倒すことを意識する。
(4)首の力を抜く。そのまま3〜5呼吸を繰り返す。
(5)息を吸いながら、頭が最後になるようにゆっくりと体を起こす。
足裏同士をくっつけた時、膝が床につかなくても構いません。床から膝が大きく浮く場合は、ヨガブロックを入れるとポーズが取りやすくなります。
<キャットアンドカウ(猫と牛のポーズ)>
キャットアンドカウは、背骨周りの筋肉を大きく動かすポーズです。体の緊張をほぐし、肩や背中のコリや痛みにも効果的と言われています。
(1)四つんばいの姿勢になる。この時、手は腕の付け根の真下に、膝は足の付け根の真下になるようにして、足先は立てる。
(2)息を吐きながら背中を丸め、視線をおへそに向ける。
(3)息を吸いながら背中を大きく反らせる。目線は斜め上に向ける。
(4)2と3を3〜5回くり返す。
肩がすくんだ状態では十分な効果が得られないため、耳と肩の位置を遠ざけるイメージを持つようにします。ゆっくりと呼吸をし、伸びている部分を意識するのがポイントです。
<チャイルドポーズ>
体を大きく使ったポーズの後は、背中や腰の筋肉を緩めましょう。チャイルドポーズは、疲労回復やストレスの軽減に効果的なポーズ。背中まで息を届けるように、大きく呼吸をするのがポイントです。
(1)正座で座り、背筋を伸ばす。
(2)息を吐きながら上半身を前に倒し、おでこを床につける。両腕は前に伸ばす。
(3)首と肩の力を抜いて、ゆっくり3〜5回呼吸を繰り返す。
(4)頭が最後になるように、ゆっくりと体を起こす。
呼吸しにくい・お腹が苦しい場合は、両膝の間を開けてください。両手は真っすぐに伸ばさなくても構いません。肘を曲げて、両手を心地よい位置に置きましょう。また、お尻が浮いてしまう時は、お尻の下にヨガブロックやバスタオルを入れると、状態が安定します。
<シャバーサナ(屍のポーズ)>
シャバーサナは頭を空っぽにして、ただ呼吸を繰り返すポーズです。疲労回復やリラックスに効果の高いポーズなので、疲れを感じた時や寝る前に行うと良いでしょう。
(1)仰向けに寝て、両手と両足を軽く開く。手のひらは上に向ける。
(2)床に全体重を預けるイメージで、体の力を抜く。
(3)目を閉じてゆっくりと呼吸をする。しばらくそのまま、呼吸を繰り返す。
(4)手と足を少しずつ動かし、意識がはっきりしてきたら動きを止める。
(5)両膝を曲げ、吐く息のタイミングで左右のどちらかに体を倒し、体ごと横向きになる。
(6)手で床を押して、頭が最後になるようにして起き上がる。
(7)胡坐の姿勢になり、呼吸を整える。
ヨガレッスンではいちばん最後にシャバーサナを行いますが、レッスンの10%ほどの時間行うのが理想とされているようです。自宅でシャバーサナを行う時は、5分間を目安にすると効果を感じやすくなります。
4つのポーズを紹介しましたが、誰でも体を動かしたくない時があります。そのような時は腹式呼吸を意識して、ゆっくりと深く呼吸をしてみましょう。緊張していると、呼吸は速く浅くなっているものです。ゆっくり呼吸するだけでも、緊張はほぐれてきますよ。
自分に合った方法で、リラックスしよう
リラックスとは、心も体も緊張していない状態です。現代ではストレスや生活習慣によって、夜になっても休息モードになりにくい方が増えています。自分に合ったリラックス方法を見つけて、リラックスできる時間を確保しましょう。