激しい運動をしたわけでもないのに、急に体が重く疲れやすいと感じることはないでしょうか?そのような時は、体の中に『毒素』と呼ばれる物質が溜まってしまい、血液循環や腸内環境といった、さまざまな体のしくみに影響を及ぼしている可能性があります。一度溜まってしまった毒素は、自然に排出されるには時間がかかる厄介な存在です。
そのような毒素を、少しでも早く排出するには、『デトックス』と呼ばれる毒素や老廃物を体内から取り除く健康法がおすすめ。今回は、体を内側からきれいにする『デトックス』について紹介します。
◇デトックスとは?
デトックスとは、解毒を意味する英語の「detoxification」から作られた言葉で、体に悪影響を及ぼす毒素を取り除く健康法のことです。私たちの体の中では、常に血液やリンパ液が循環しており、便、尿、汗、毛髪や爪などから毒素が自然と体外に排出されます。しかし、睡眠不足や過食、過度なストレスなどによって、毒素の排出が追いつかないこともしばしば。そのような時は、毒素の排出を促すデトックスの実践が有効です。デトックスの対象となる毒素は、主に3つの種類にわけられます
●老廃物
必要な栄養素が体内で吸収・利用されたあと、消化吸収しきれなかった糖分や脂質、ストレス状態を引き起こす活性酸素など、最後に残る不要物は老廃物と呼ばれます。本来だと、血管やリンパ管を通して、体の外に排出される物質ですが、血行不良などが原因で細胞内に蓄積してしまう場合があります。
●化学物質
私たちは、呼吸や食事からさまざまな物質を体内に取り込んで生きています。それらの物質の中には、少量の場合は問題がなくても、体内への蓄積が繰り返されると、体に悪影響を及ぼすものもあります。野菜に付着した残留農薬や、食品を保存するために用いられる食品添加物などが代表的な例。
●アレルギー性物質
アレルギー性物質は、人によって不調の原因となる物質が違います。毎年悩む人が多い花粉症の原因となるスギ花粉や、食物アレルギーを引き起こす食品など。近年ですと、小麦粉に含まれるグルテンと呼ばれるタンパク質が、アレルギー症状を引き起こす原因になることがわかってきています。
◇毒素が溜まっているサインとは?
体内に毒素が溜まっている際は、さまざまなサインが体から出ています。そのサインが表れた場合は、症状が悪化する前にデトックスを行うことがおすすめ。ここでは、デトックスを必要としている体のサインについて、3つのサインを紹介します。
●頭痛が続く
頭痛の原因には、さまざまな要素があります。私たちが普段使っている日用品や洗剤などに配合されている人工香料。虫よけスプレーに含まれる殺虫成分、車の排気ガスの成分などが体に蓄積すると、自律神経の乱れを誘発して頭痛を引き起こすことがわかっています。
●体臭が気になりだす
体臭の主な原因は、皮脂に含まれるパルミトオレイン酸という脂質が、皮膚表面で酸化する時の臭いとされています。しかし、体の中で発生した臭いが体臭につながることも。タンパク質の過剰摂取により発生する、アンモニア臭です。肉などのタンパク質が消化されると、アミノ酸が作られます。アミノ酸は小腸などで吸収されないと、大腸に入り込み、腸内細菌によってアンモニアに変化。そのアンモニアが、血液を通して全身に運ばれ、少しずつ血管から染み出ることで、臭いが発生します。
●日中に強い眠気に襲われる
十分な睡眠をとっているにも関わらず、日中強い眠気に襲われる場合は、体に毒素が溜まっている可能性が。過剰な糖分や脂質の摂取による毒素は、血糖値の乱高下や、消化不良を引き起こします。その状態を改善するため、多くの血液が腸内に集まってきます。その結果、脳に流れる血流が減ってしまい、強い眠気が引き起こされることに。
◇見た目にも変化をもたらすデトックスの効果
今回は、体に不調をもたらす毒素について紹介しました。じつは、体の筋肉や脂肪に水分が溜まってしまい、むくみやセルライトが発生する状態も、蓄積した毒素が原因だと考えられています。そのため、デトックスを日常的に行うことで、体を膨張させていた水分も一緒に排出され、見た目のサイズダウンにもつながるようです。このように、体に大きな変化をもたらすデトックスですが、実践するためにはいくつかの方法があります。
次回は、『【第2話】デトックスおすすめの実践方法の紹介』では、体内を浄化して正常な状態に導いてくれる、デトックスの方法について紹介します。