美容法として近年注目を集めるアーユルヴェーダ。
そのようなアーユルヴェーダには、台所にある食べ物で、病気を予防するという考え方があります。日本でいうところの『おばあちゃんの知恵袋』のような存在です。近年はネット通販などの登場で、以前では手に入りにくかった、海外の食品やスパイスも手にできる時代に。
今回は、スパイス含むアーユルヴェーダ食材を用いた、健康方法について紹介します。
◇アーユルヴェーダとは?
アーユルヴェーダとは、5000年前からインドに根付いている医学理論のこと。病気の治療だけではなく、食事や美容法として日常生活にも取り入れられています。日本においても、ギーと呼ばれるバターオイルを目に浸す「ネトラバスティ」など、アーユルヴェーダトリートメントを受けられるサロンも年々増えています。
詳しいアーユルヴェーダの概念は下記の記事を参考にしてください。
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◇キッチンファーマシーとは?
キッチンファーマシーは、『台所薬局』を意味する言葉です。
食物は薬であり日々台所で作られる料理を使って体を癒やすという、アーユルヴェーダの考え方の1つです。
アーユルヴェーダが根付くインドやスリランカでは、体の調子が良くない時はすぐに病院に行くのではなく、まずは食事療法を試すことが習慣化されている。
◇6つの味が持つそれぞれの特性
アーユルヴェーダでは、食物が持つ味を6つに分類しており、それぞれの味によって体への作用が変わると考えられています。
これら6つの味を、バランス良く摂取することが、心身共に健康でいれる秘訣とされており、1つの味ばかりを過剰に摂取するのは禁物。
ここでは、それぞれ6つの味を過剰摂取してしまった場合、どのような症状が現れるのかを紹介します。
1.甘み(砂糖、甘いフルーツ、牛乳など)
□成人病(糖尿病・動脈硬化など)の発症
□倦怠感や眠気を引き起こす
□消化能力の減少
□病原菌を繁殖させ、感染症の治療を遅らせる
2.酸味(ヨーグルト、チーズ、お酢など)
□歯の炎症
□胃炎
□灼熱感
□ニキビや発疹
3.塩味(塩、醤油、みそなど)
□皮膚病
□血流停滞
□胃酸過多
□シワや脱毛を生じさせる
4.辛味(唐辛子、コショウ、ネギなどの香味野菜など)
□乾き
□消耗感
□炎症
□疲れ
5.苦み(ゴーヤ、山菜、オリーブなど)
□疲労
□衰弱
□体重減少
□目眩
6.渋味(ナッツ類、ハチミツなど)
□便秘
□心筋麻痺
□血流の停滞
□虚弱
上記のような症状が出た場合、当てはまる味の食品をしばらく控えるようにしましょう。
◇アーユルヴェーダ式の体ケアメニューの紹介
キッチンファーマシーの考え方を取り入れた、体の不調を取り除くメニューは、数多く存在しています。今回は、寒くなる時期に備えて知っておきたい、3つのメニューを紹介します。
●痰が絡む時×ブラックペッパーハチミツ
風邪による症状で喉に痰が絡む時は、『カパ』と呼ばれるエネルギーの影響があると、アーユルヴェーダでは考えられています。そのような症状がある時は、生ハチミツにブラックペッパーを少量ふりかけ、舐めることがおすすめ。生ハチミツとブラックペッパーには、『カパ』を鎮める効能があるため、症状の緩和が期待できます。
●腸内デトックス×キチャリ(アーユルヴェーダ式のお粥)
キチャリとは、コリアンダーやターメリックといったスパイス、イエロームングダルと呼ばれる黄色い豆、そしてお米を一緒に煮込んだお粥のようなメニューです。胃腸を休ませながらも、腸内の老廃物を体外に排出するよう作用するため、デトックス効果が期待できるメニュー。キチャリの材料であるコリアンダーには、腸管内に溜まったガスを排出させる作用があります。体が冷えて腸の動きが鈍くなる時期に、ぜひ取り入れてみてください。
●免疫強化×ターメリックラテ
『天然の抗生物質』と呼ばれる、ターメリックと牛乳を使ったラテは、黄金色のオシャレな見た目もあって、欧米でも話題のドリンクです。ターメリックの他にも、シナモンやブラックペッパーといったスパイス、生姜、ハチミツが使われています。これらの材料が持つ、殺菌作用や抗炎症作用によって、免疫強化だけではなくアンチエイジング効果も期待できます。
◇アーユルヴェーダ式食事法で心も体も身軽にしよう
今回は、キッチンファーマシーと呼ばれるアーユルヴェーダ式の食事法について紹介しました。
アーユルヴェーダの考え方の基本は「自分の体に向き合い整えること」。健康で若々しくいるためには、今の自分の体が何を欲しているのかを探し、補うことが大切です。
数あるアーユルヴェーダの方法の中でも、食事内容はすぐにでも変えられる部分です。ぜひ、この機会にご自身の体を見つめ直し、食事の見直しをしてみてはいかがでしょうか。