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ヨガとピラティスはどう違う?あなたに向いているのは?

「ヨガとピラティスって似ている。一体どこが違うの?」このような疑問を感じていませんか?たしかに、どちらも体験したことのない人にとっては、わかりにくいですよね。

しかし、ヨガとピラティスはまったく別のものです。ヨガとピラティスの違う点と似ている点を知って、自分に向いているのはどちらか考えてみましょう。


<目次>

1 ヨガとピラティスの違う点

 成り立ち

 目的

 呼吸法

2 ヨガとピラティスの似ている点

3 ヨガとピラティスどちらを選ぶ?

4 まとめ


ヨガとピラティスの違う点

ヨガとピラティスの違いは、下記のとおりです。

・成り立ち

・目的

・呼吸法

ひとつずつ紹介します。

成り立ち

ヨガが成立したのは、紀元前2500年頃とされています。古代インドでは口頭でヨガが伝承されていたため、記録として残っていません。インダス文明の遺跡に瞑想しているような姿が描かれていることから、紀元前2500年~1500年頃にはヨガが行われていたといわれています。当時のヨガは今のようなエクササイズではなく、修行法のひとつでした。

 

一方、ピラティスの成立はずっと後になってからのこと。第一次世界大戦中、ドイツ人のジョセフ・ピラティスが、負傷した兵士のリハビリとして行ったエクササイズが始まりとされています。ジョセフ・ピラティス自身が病弱で、体を鍛えるためにさまざまなスポーツを経験し、独自のエクササイズを開発。このエクササイズを発展させたものがピラティスの原型です。

目的

ヨガの目的は精神の安定です。ポーズをとって筋肉を伸ばし、深く呼吸をすることで、心身共にリラックスするために行います。 一方、ピラティスは、成立当初から体を強くすることが目的でした。体幹を鍛え、しなやかで強い筋肉を作るために行います。そのため、動きの質に重点を置くのが特徴です。

 

「メンタル」重視のヨガと、「フィジカル」重視のピラティス。そのようなとらえ方もできますね。

呼吸法

ヨガは腹式呼吸で行います。息を吐くことに意識を向け、息を吐き切ってから息を吸うのが腹式呼吸です。腹式呼吸をおこなうと、副交感神経系が優位になります。そのため、リラックスしたい時におすすめの呼吸法です。また、腹式呼吸は、訓練するほど深く呼吸することが可能になります。

 

ピラティスの呼吸は胸式呼吸です。胸式呼吸とは、胸周辺の筋肉を使って行う呼吸のこと。深呼吸をイメージするとわかりやすいと思います。胸式呼吸では息を吸うことに意識を向けます。そのため、交感神経が優位になり、心身が活性化する効果が期待できます。

 

また、1つのポーズをじっくりキープするヨガと比べて、動き続けるのがピラティスです。「呼吸」に集中して自分の心に向き合うヨガに対し、「動き」に集中して体のパフォーマンスをあげるのがピラティスです。

  ヨガ ピラティス
発祥地 インド ドイツ
呼吸法 腹式呼吸 胸式呼吸(ラテラル呼吸)

意識を向けるもの

呼吸  体の動き

期待できる効果

リラックス
体の柔軟性
ストレッチ効果
筋肉を鍛える
体幹を鍛える
骨格を整える

ヨガとピラティスの似ている点

ヨガとピラティスは方法が異なるものの、体を動かす点は同じです。運動不足による体調不良や肩こりや腰痛の改善、代謝アップが期待できます。

また、ヨガは筋肉をやわらかくほぐすことで、ピラティスは筋肉をスムーズに動かすことで、ケガの防止につながります。

ヨガもピラティスも、座った状態でおこなうポーズ(エクササイズ)があるため、ご高齢の方でも取り組みやすいです。

ヨガとピラティスどちらを選ぶ?

ヨガとピラティスの違いがわかったところで、「自分にはどちらがむいているのだろうか?」と思いますよね。それぞれおすすめの人をまとめましたので、参考になさってください。

ヨガが向いている人

以下にあてはまる人は、ヨガがおすすめです。

・リラックスしたい

・体の柔軟性を高めたい

・ゆっくり動くのが好き

・時間をかけて心身を整えていきたい

・自律神経のバランスを整えたい

 

腹式呼吸をおこなうヨガは、自分と向き合う時間を作りたい人に向いています。体を動かす目的がリラックスや精神の安定なら、まずはヨガをはじめてみましょう。

ピラティスが向いている人

以下にあてはまる人は、ピラティスがおすすめです。

 

・引き締まった体になりたい

・仕事や運動のパフォーマンスを上げたい

・体をしっかりと動かしたい

・早めにダイエットの効果を感じたい

・筋力不足が気になる 

 

胸式呼吸で体の動きを重視するピラティスは、体幹を鍛えて引き締まった体になりたい人に向いています。体を動かす目的がダイエット(スタイルを良くしたい)やパフォーマンスの向上なら、ピラティスを試してみましょう。

まとめ

ヨガとピラティスは多くの点で異なっています。もともと修行として古代インドで始まったヨガは、メンタルを整えたい人におすすめです。腹式呼吸で自律神経のバランスを整え、心身の不調を改善に導きます。

リハビリ用のエクササイズとして始まったピラティスは、体幹を鍛えてしなやかな体を作りたい人におすすめです。胸式呼吸で交感神経を高め、パフォーマンスの向上が期待できます。

ヨガもピラティスも、激しいスポーツではありません。運動が苦手で体力不足の人でもチャレンジしやすく、効果を感じやすいものです。ヨガとピラティス、まずは気になるほうを試してみては?